アドバイスをしない?

 

カウンセラーは、話を聴くプロ。

 

……ということで

カウンセリングって今まで受けたことがないけれど、悩みを相談に行っても、

ただ「うん、うん」とうなずかれるだけで終わってしまうのではないだろうか……?

と、けっこう不安に思われている方、多いのではないかと思います。

 

カウンセラーは、私ももちろん、

あなたがお話しているところを止めたり、むやみに口を挟んだりということは決して、しません。

 

相談時間の50分ないし80分、フルに使ってご自分の思いを話され、

話しながら、心にためていた不安やつらさ、怒りの感情などを表に出していく。

カウンセラーはこの時、お話をお聴きしながらできるだけご相談者さまに同調し、状況を想像しながら、その様子をうかがっていきます。

まさに、話を聴くプロのスタンダードな活用法! といえるでしょう。

このようにご利用をされる相談者の方は、決して少なくはありません。

悩みを自分の言葉にして出すという作業は、それだけで、確実に心のデトックスにつながっているからです。

 

一方で、冒頭の不安ごと。

特に当方は『相談室』と銘打っていますから、

働く上でのお悩みを、皆さん、それぞれ具体的にお持ちになってご相談にいらっしゃいます。

(「何を解決すればいいのかわからない」という方も中にはおられますが、だいたい、話しているうちにお悩みの要因が絞られていきます)

 

ご相談者さまのほしいものは、問題解決の方法です。まさしく『アドバイス』。

戻りますが、カウンセラーは、むやみやたらにアドバイスはいたしません。

悩んでいるあなたにまったく即さないようなアドバイスをしても、あなたはさらに混乱してしまうだけだし、それでは何の助けにもならないからです。

 

だからカウンセラーは、まずはあなたに『同調』します。

同調しながら、例えればもうひとりのあなたとして、心と頭をフル回転します。

あなたからできるだけお話を引き出して、状況を思い浮かべ、やがて、

あなたが実際に実行できそうな対応策や方法を、いくつか提案していきます。

 

あなたはその中から、出来そうな案を自分で選んで、考えて、相談後に試してみるだけ──。

 

 

アドバイスは、しています……ね。

求めがあらば、提案を。

 

大事なのは、あなたが『実行』できる案であるということ。

そのために、まずは話をしっかりお聴きするのです。

 

 

* Dear Heart *

働く人のメンタル相談室